メンテナンス
インプラントによるメリットは、入れ歯の悩みを解決すること、自然に近い歯にすることだけではありません。あまり知られていない効果として、全身病の予防があります。
残った歯を守ることにより、周囲の歯や口腔内全体の健康を守ることにもつながります。
食事をおいしく食べることができれば、体の健康維持にもいい影響があると考えられます。
自宅でのセルフチェックや、歯医者で定期的にクリーニングをしてインプラントを長持ちさせましょう。
バイオフィルム
メンテナンスはふたつあり、ひとつは自分で行う歯磨きなどのホームケア、もうひとつは歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングです。メンテナンスの目的は、インプラントや天然の歯に悪影響を与える病原性のバイオフィルムを取り除くことになります。バイオフィルムとはネバネバした膜に包まれた細菌の塊で、歯垢とも言われます。病原菌バイオフィルムは人体では歯の表面だけに形成される厄介な存在で、抗生物質などの薬剤も効きません。これが増えていくと虫歯や歯周病、インプラント周囲炎を発症する可能性もあるのです。インプラントを長持ちさせるにはメンテナンスが必要で、これが歯周病の予防だけでなく歯周病を原因とする全身の病気、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などの防止に繋がります。
体全身のバランス
人間が噛むことによって生じるパワーを支えることは、入れ歯では不可能です。骨にしっかりと結合させるインプラントによって、はじめて人間の持つ強力な噛みしめるパワーを受け止めることができるのです。インプラントなら骨格バランスを正常な方向へ導いていくことが可能になります。これからのインプラント治療は、ただ人工の歯をつくり直すだけでなく、体全身の姿勢の調和や、顔全体の均整を考慮したものになっていくでしょう。
退化する歯ぐきを守る
人間の身体は、使う部分は発達していきますが使わない部分は退化します。歯を抜いた後の歯茎が痩せてしまうのは、そこに噛む力が加わらなくなるためです。 インプラントによって再び骨に力が加わるようになると、骨はしっかりと充実し、それ以上の退化を防ぐことができるのです。